「お江戸見たけりゃ佐原へござれ 佐原本町 江戸まさり」。利根川の水運で栄えた佐原は、江戸の文化をいち早く取り入れ、江戸に優るとまで謳われた商都でした。小野川沿いには江戸から明治にかけての商家や蔵が今も建ち並び、関東で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

伊能忠敬、50歳からの本番

この町が育てた偉人が、日本地図の父・伊能忠敬です。佐原の商家の当主として家業を立て直したのち、隠居して江戸へ出たのが50歳前後。そこから天文学を学び直し、55歳で始めた測量の旅は十数年、歩いた距離は地球一周分に迫るといわれます。人生後半からの挑戦の象徴として、いま改めて注目される人物です。

小野川沿いには国史跡の伊能忠敬旧宅が残り、川を挟んだ伊能忠敬記念館では、国宝に指定された伊能図や測量器具などの資料を見ることができます。

樋橋の「じゃあじゃあ」を聞く

旧宅の目の前に架かる樋橋(とよはし)は、かつて用水を対岸へ送った大樋の名残。今も定時に橋から水が流れ落ち、「じゃあじゃあ橋」の愛称で親しまれています。水音を聞きながら川沿いを歩き、舟めぐりで水面から町を見上げれば、佐原散歩は完成です。

町並みの中には老舗の鰻屋や佃煮屋、酒蔵も。歩いて、食べて、半日たっぷり楽しめます。